自動記録しおりの見る夢
通勤列車で本を読む。でも停車のたび、乗車してくる他の客に合わせて場所を移動しなくてはならなくて、本を閉じ、また開くを繰り返す。そのうちどこを読んでいたかわからなくなって、最初98頁だったのが94頁になり、そのうち89頁まで戻ってるかもしれない。
喫茶店で本を読む。でも店員さんへの注文で本を閉じ、「コーヒーお持ちしました」で本を閉じ、ケータイに着信があって本を閉じ、思い出したことを手帳に書き留め本を閉じる。そのうちどこを読んでいたかわからなくなって、本の頁をぞんざいに繰ったところ、今ある事件の謎解明の部分を読んでしまい、気を削がれるかもしれない。
かくして人々が本を読み終えることはなく、永遠のループを繰り返す...。
てなんか嫌じゃないですか?こう、致命的に困るわけじゃないけれど、人生において結構本を読む人なら何度か煩わしく思うことですよね。
そんな時こそ「自動記録しおり」。それは、普通のしおりのように自分で本の頁にはさまなくともしおりが自動でついてきてくれる、とても便利な存在です。オートマチック。しおりを挟む暇もないシーンではきっととても大活躍。
ではでは行ってみましょうー。三森が実際使ってみて「これは!」と思った、巷に流通する自動記憶しおりラインナップ!マイベストについてはすでにタイトルでネタバレしている気がするけれど、やります。
ALBATROS(アルバトロス)
Albatrosは日本語では「アホウドリ」、とこどがどっこい「かしこいトリ」なのです。こちら6枚1セットでだいたい1300円前後。
使い方は、両端に貼り剥がし可能な接着剤のついたプロプロピレン製の薄いしおりを、本の上部、両見返しに貼り、真ん中をページに折り込むだけ。
あとは自動でついてきてくれるので、どこまで読んだかなんて考えずに読み進めます。間違ってネタバレ箇所を読んじゃう恐れもなし。
メリットは、見た目スッキリで付け方も簡単なところ。デメリットはちょっと高い(スワンタッチは1枚160円)のと、真ん中の織り込んだ部分が上手くはまらないことが時々あって、綺麗に折りグセつけないといけないのが難点かなと。あと、貼り剥がし可能な接着剤で本の見返しにつけるため、どうしても使ってるうちに粘着力弱くなるし、強いうちは本を傷つける恐れがあるのも困りもの、かなー。あと構造的に薄めの本には向かない。
デザインはスマートだと思うし、発想は面白いんですけどね。長年読み返す辞書や年鑑などに貼り付けると、よく読むページを開きやすいし、粘着力が問題にならないし良いかもしれない。
+d ポップアップ・ブックカバー
そんなアルバトロスの粘着力的弱点を、「本の見返しに貼らなくともそのままブックカバーにしちゃえばいいんじゃね?」という方法で解決してるのがこちら、自動でしおりが挟まって、開き直す時に蝶がポップアップするように起き上がってくれるポップアップ・ブックカバーです。ひとつで540円前後。新書・文庫両用で、表裏両用(写真は茶・青仕様)。
普通のブックカバーと同じく本をセットし、中央部分の蝶に折りグセつければいいだけなので簡単。本を開いたときの可愛さは格別です。不器用さんにもオススメ。
メリットは手軽さと可愛さ。本を開いた時にちょこっと蝶が顔を出すのはなんだか微笑まし。デメリットは、これ、材質紙なんですよね...蝶の足の部分が何度か開いて閉じてをしていると切れ気味になってしまって、急遽セロテープで補強したのが悲しい思い出。
ただ発想はこれも可愛くて好きなので、材質がクリアされればもっと使いやすくなる、かなー。
スワンタッチ
本屋さんの読書文具コーナーで見かけることも多いと思われます。手軽さとそこそこの安さと案外の丈夫さで人気のスワンタッチ。おひとつ160円。貼り剥がし可能な接着テープ部を本の見返しに貼り付けて使います。
あとは白鳥の首の部分を頁に引っ掛けて、好きなだけ読書に没頭するがよろし。
オートマチックに白鳥の頭があなたの読書を追いかけてきてくれます。このピョコンとした感じかわいい。癖になる。
メリットはこれも手軽さ。そして安さ。原始的に見えても、世の中に普及しているだけあってかなりの優れものなんですよね。他の自動記録しおりと比べても、反復性と耐久性高い方ですし。デメリットは、構造上厚さのある本には向かないこと。文庫本くらいなら余裕ですけども。そしてこれもアルバトロスと同じで、繰り返し使うと粘着力が落ちてくるので、実質4冊くらいまでですかねー使えるの。自前で両面テープを用意しちゃえばいいんですが、それだと粘着力が強すぎて、本を傷つけそうで怖い...。あと、本の上部に飛び出しができちゃうので、そのままカバンに入れていつの間にかブックマークしていたページがずれていたことがあります。ちょっと悲しかった。
PageKeeper
PageKeeper(ページキーパー) いつも開いたページについてくる「オートマティック」なしおり
- 出版社/メーカー: Amyot & Watt Ltd
- メディア: オフィス用品
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このブログでは何度も紹介してきたこちら。オートマチックなしおりの「PageKeeper(ページキーパー)」。やっぱり便利なんですよ。これだけ金属製なのでちょっとお高め、ひとつで1080円前後。本の背表紙にクリップを挟んで使います。原理的にはスワンタッチと一緒。個人的には進化系だと思ってる。
金具がページの上にピョコンと乗るようにして本を繰る動作についてきてくれて、いつでも本が閉じられます。見た目スマートでおしゃれ。
メリットは、金属製で止め方もクリップ式なので何度も使えることです。そして細いワイヤーなので頁上部飛び出しがなく、引っ掛かりがありません。デメリットはある程度厚みのある本だと尺が足りなくなること...それと使い始めはクリップもワイヤー部も硬いので、文庫本で使おうとすると力みすぎて頁を折り曲げてしまったりします(経験談)。
ただ使えば使うほど自分に馴染んでく読書文具なので、これはプレゼントにいただいたら、自分では買わなさそうな分嬉しいし、長く使っちゃうな、と。
今のところPageKeeper 最強だと思う、けれど。
タイトルがタイトルなので想像つくと思うのですけれど、今の所金属製というその一点をもってPageKeeperが最愛です。他のを使ってみないうちから「PageKeeper最強!」と言い切るのも違う気がして他の自動記録しおりも使ってみたけれど感想変わらなかった。ほら百聞は一見に如かずというではありませんか。
未来はわからないけどね!多分ポップアップ・ブックカバーが進化するとこの寵愛は覆るかもしんないと思ってるので、HIGHTIDE頑張ってくださらないかなぁ。
自動記録しおりは、書見台やブックホルダーよりもマイナーアップデートの可能性がとても大きい部分だと思っているので新しいのが出たらこれからも試していくと思います。発想自体すごく好きで、こういうアイデア読書文具もっと出てきたらいいのになぁ。
(追記 5/19)コメントで思い出したので。
PageKeeperは最初、色移りする場合があるそうで(店員談)、クリップ部分に付箋を挟むほうがいいみたいです。表紙がザラっとした紙質の場合は注意かも。自分もこの方法で様子見して、2冊目以降は普通にクリップを挟んで大丈夫でした。